就活×デスゲーム(15) の変更点

Top/就活×デスゲーム(15)

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#author("2021-07-02T20:23:48+00:00;2021-06-30T14:15:33+00:00","","")
〜前回までの“就活×デスゲーム”〜

某巨大企業の所有するドーム球場地下を舞台とした狂気のデスゲームもいよいよ佳境に差し掛かる。
今回“就活×デスゲーム”の駒として集められたのは容姿端麗、成績優秀、さらには一流アスリートとしての実績も持つ超美人就活女子30人。彼女らは、いずれもこの超氷河期の就活戦線においても複数の一流企業から内定を勝ち取れるほどの将来有望な人材であるが…
無理ゲーレベルの“トラップ地獄”と運営側の理不尽な“選考”によってふるいにかけられ、その大半が断末魔とともに地下迷宮の闇に消えていった…

ここまで勝ち残った就活女子は僅か7人。
“女神級就活女子”として大企業群にも注目されている彼女達であるが…
果たしてこの巨大企業の“最終適正試験”を無事パスすることができるのか…
“就活×デスゲーム”運営の魔の手から生還することができるのか…

その答えは、この先にある…

〜〜〜

就活女子達が閉じ込められた更衣室という名の小さな牢獄は一つひとつがエレベーターとなっており、体操着姿の就活女子を乗せたままステージ2“就活×運動会”という名の次なる地獄へと上昇していく…

シュルル…ギュウゥゥ…サワサワサワサワ…コチョコチョコチョコチョ…
『あひゃひゃひゃひゃ…!!お、おへそが…!!』

コオォォォォ…ウズウズ…ムズムズムズムズ…コチョコチョコチョコチョ…
『アヒ、あははは…か、カユい、くすぐったい…!!』

スサッ、サワサワ、ナデナデ…コチョコチョコチョコチョ…
『キャハハハハハだ、誰かぁぁぁんっ!!誰か助け…』

最も、その内の3台は“ハズレ“だ。この3台だけは、はしたなく無様に笑い悶え苦しむ不運な就活女子を地獄の底へと葬るかのように下降していくのであった…

〜〜〜

『ステージ2“就活×運動会”会場へ到着しました』

電子音声のアナウンスとともに鋼鉄製の扉が開き、就活女子達の目にどこか既視感のある光景が映し出される。
7台のエレベーターが到着した先は…

「出られた…の?」「んっ、ま、まぶしい…」「え、ここって…」

就活女子達の美しい顔が、戸惑いと動揺の不安に染まる。
彼女達が辿り着いた先は、つい先程まで憧憬と羨望の眼差しをその身に浴びながら将来への希望を胸にして立っていた…あのドーム球場のグラウンドであったからだ。

ただあの時と違うのは、
彼女らの身を包むものがミニスカリクスーではなくサイズの合っていない体操着とブルマである事…
自分達が期待の新入社員候補でなくデスゲームの駒であるという事…
グラウンド全体に鉄骨やロープ、メカ触手がジャングルの如く敷き詰められ、怪しげなアスレチックコースめいた空間を形成しているという事…
そして彼女達一人ひとりがこの灰色のジャングルの中でバラバラの場所に立たされている事であった。

ゴォン…!!

背後でエレベーターの扉が閉まる音とともに、ふざけた口調のアナウンスがドーム球場内に響く。

『女神級じょしだいせー(笑)のみなさ〜ん!まずは第1ステージ突破おめでとうございま〜すw』
『早速ですが今から“僕たち”がこのステージ2“就活×運動会”のルール説明を開始しま〜すw』

「(“就活×運動会”…って…何…!?)」
「(こんな格好させて…今度は何をするつもり…?)」

就活女子達は直立不動の姿勢のまま、その場を動かない。常日頃から大学に面接マナーを徹底的に叩きこまれてきた超氷河期世代の就活女子の性は、この非日常の極みとも言える状況でも健在のようだ。
ただ、流石に営業スマイルを浮かべている娘はおらず、全員がアナウンスを聞き逃すまいと神妙な顔付きをしているが…
その次の瞬間。

アナウンスとともに鉄骨とメカ触手のジャングルの隙間…その暗がりの奥で赤い目玉が不気味な光を放つ。
その次の瞬間、7体のチンパンジー型ロボが勢いよく飛び出し、就活女子達目掛けて飛びかかってきた。

『ウッキ〜〜〜〜!いただキ〜〜〜〜!!』

シュバッ、ガシィッ!ピトッ、ムニュッ、ガシィッ…!!
「きゃあっ!?」
「やんっ!!」
「痛っ…な、何なの…!?」
「あぁんっ!!…さ、サル!?」

恐るべきは大企業群のテクノロジー…
チンパンジー型ロボの体長は幼稚園児程の小型なものだが、その長い手足に搭載された人工筋肉から繰り出されるパワーとスピードは本物のそれと比べても遜色の無いレベルだ。
一流アスリートとしての実績を持つ“女神級就活女子”である彼女達ですらも不意を突かれ一瞬でその引き締まった美しいカラダに組み付かれてしまう。
そして…

ガシィッ、ギュウゥゥ…!!スリスリペロペロレロレロ…!!
「ちょ、やめてください…!あは、な、舐めちゃヤダ、アハハハくすぐっ…!」
『ウヘヘヘ…現役じょしだいせーの生脚…w』

ガシィッ!!ムニュウッ…フニュッ…モミモミモミモミ…!!
「痛っ…やっ、離し…あっ、そんなに胸を…あんっ!」
『この姉ちゃん、アスリートのクセに乳デカすぎだろwウッキッキwww』

ギュウゥゥ…!!コショコショ…コチョコチョコチョコチョ…!!
「い、いやぁ〜〜〜んっ!!アハ、アハハハみ、耳はダメっ…!!」
『オラオラ!!ルール説明すっから耳かっぽじってよ〜く聞キやがれこのエロエロ女ァ!!』

案の定、激しいセクハラ攻撃が開始される。
スレンダー系就活女子の白ハイソに包まれた美脚にしがみついて太ももを舐め回すもの…
セクシーなお姉さんの体操着越しにラインのくっきり浮き出た巨乳を揉みしだき、顔を埋めるもの…
清楚な雰囲気のあの娘の耳元を執拗にくすぐって罵声を浴びせるもの…

灰色のジャングルのあちらこちらで、体操着姿の就活女子達がチンパンジー型ロボに一方的にエッチなイタズラをされ、悲鳴をあげる…
ゲームはまだ始まってすらいないというのに、早くもステージ内は地獄絵図の様相を呈している。

そして…

『ウッキッキッキ!!キレイなじょしだいせー発見www』
邑上ひかりのもとにもチンパンジー型ロボが迫る!だが…

「おっ…と、危ない」
サッ、ドガシャァッッ…!!
『ウッキ〜〜〜〜!?』

ひかりはその超人的な反射神経と危機予知能力を持って難なくエロ猿の不意打ちを回避した。
哀れエロ猿は勢い余って鉄柱に激突!昭和の古き良きコント芸人の如く仰向けにすっ転ぶ。

「何をされているんですか…?」
『ウッキ〜…こ、このアマァ…必ず地獄に叩キ落として…これまでの女どもみたいに「嫌ああぁぁ〜〜」って言わしてやるっキ!』

刺すような冷たい瞳で自身の醜態を見下ろしてくるひかりを睨みつけながら、エロ猿は悪態を突く。
が、ここで執拗にひかりを襲うより、ゲームの進行が最優先と判断したのか、渋々といった様子でルール説明に移るエロ猿であった。

『…ルールは単純明快だっキ!みんなでこのアスレチックコースを進んでいって所定のポイントに到達したら、指定された“競技”にチャレンジしてもらうっキ!』
『“競技”をクリアした上で10分以内にゴールすれば合格!!晴れて生還、この春からは夢の超一流企業の社員だっキ!!』
『ただし…クリア出来なかったり、ボキ達面接官が“不合格”というジャッジを下したその時は…ウッキキキ、精々楽しみにしてるっキ!』
『それでは…ゲームスタート!!』

〜〜〜

ドーム球場のメインモニターに、軽快なBGMと共に極彩色の派手なフォントで文字が映し出される。

『GAME START 10:00:00』

これを合図に一斉に駆け出す就活女子達。その後ろを鉄骨やロープを伝う形でチンパンジー型ロボ達が随伴する形だ。

だが…

コショコショ…コチョコチョコチョコチョ…パンッパンッパンッパンッ…!!
『ウッキ〜〜〜!!この女、キにいったぜ〜〜〜!!』
「あはっ、あははは…あんっ、アハ、あんっ、あんっ、あんっ、あんっ…!!」

こちらでは、先程耳元をくすぐられていた清楚系就活女子…実宮璃子ちゃんが、スタート地点で暴走したチンパンジー型ロボに馬乗りで跨られる形で全身をくすぐり回されながら犯されている。
よく見ると、ロボの胴体からは先端にブラシやマニピュレーターのついたアームが4本伸びている。これらを器用に操る事で、体操着を脱がし、ブルマをずり下げ、璃子の乳首やわき腹、おへその穴や内ももといった敏感なトコロをくすぐっているのだ。
さらには、ロボの股間には成人男性の平均的なそれより一回り大きいアレが備え付けられており、くすぐり地獄に笑い悶え苦しむ璃子の大事な部分に深々と挿入されているのだ!

コチョコチョコチョコチョコチョコチョ…パンッパンッパンッパンッ…!!
『ウッキー!くすぐられてイけ!イキ死ね!笑い死ね〜!』
「あはははヤダあぁぁぁ!!キャハハハあんっ、あん!あん!あん!イヒャヒャヒャああんんっ!!」

大和撫子系の清楚な“女神級就活女子”として一般企業のオジ様からの受けが非常に良い璃子が、エロ猿にくすぐられながら乱暴されはしたない喘ぎ声を垂れ流しながら半裸の体操着姿で笑い悶え苦しむ…。
ショッキングな光景ではあるが、一部のマニアには垂涎もののシチュだ。

コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ…パンッパンッパンッパンッ…!!

『もう試験とかどうでもイイ!!このじょしだいせーにボキの人工精液ブチ込んでやるっキ!!ほ〜れ、コチョコチョ…ウッキー、イクっ!!』
「!? アハハハハ…い、嫌あああ〜〜ぁぁぁんんっっ!!」

エロ猿がどうやら絶頂に達したらしいムーヴを見せると同時に、璃子も一際大きな断末魔をあげ、白眼を剥いて失神した。
が、恐ろしい事にエロ猿は璃子が失神してもなお執拗に腰を振り続け、グッタリとした璃子のカラダを延々とくすぐり犯し続けるのであった…

「な、なにアイツ…!?」
「く、狂ってる…!」
「ぜ、絶対ゲームクリアしなきゃ…」
「でないと、私もあんな風に…!」

暴走したチンパンジー型ロボの蛮行と、メチャクチャにくすぐり犯され続ける同期の姿は他の就活女子達に恐怖と焦燥を与え、冷静さを奪っていくのであった…

〜〜〜

このアスレチックコースは一見複雑だが、一定の距離を進む事でそれぞれのルートが合流し一本道になる構造だ。
よって、やがて現在残っている6人全員が同じルートに集まり、団子状態になるのも自然な流れだ。

「あっ…み、みんな…!」
「さっきの見たよね!?あんなの、狂ってる…!!」
「ここは全員で協力して行かないと…!」
「そ、そうですよね!皆さん、よろしくお願いします…っ!」

生き残る確率を少しでも上げるため、彼女達が共闘を試みる事もまた、自然な流れ…
だが、“就活×デスゲーム”運営は悪辣かつ狡猾である。就活女子側が結託することを想定した上で、最悪のタイミングで布石を打ち、その共同戦線を崩しにかかる…

『SPECIAL MISSION:借り物競走』

メインモニターに“競技”が表示され、例の抑揚の無い電子音声がルール説明を開始する。

『これより“借り物競走”を開始します…就活生の皆さんは、こちらで指定した借り物を所持した上でゴール地点まで移動してください…』
「えっ、借り物って、何を…きゃあぁっ!?」

ウィィィン…!シュルルルル…!ワキワキワキ…!!ウネウネウネ…!!

鉄骨のジャングルから巨大ミミズのようなメカ触手が大量に出現し、通路上の就活女子達に襲いかかって来る!
メカ触手の先端は例によってイソギンチャク状になっており、怪しい粘液を分泌しながらウネウネと蠢いている。

「ひっ…ヤダヤダ!来ないでっ!」
「もうくすぐりは嫌あぁっ!死んじゃうよ!」
「ちょ、ちょっ…押すな、バカぁっ!」

狭い通路上で左右からメカ触手の大群に襲われ、恐怖と焦燥のあまりパニックになる就活女子達。
無理もない。
彼女らの大半は、“就活×脱出ゲーム”の時点でこれでもかという程にくすぐり責めの洗礼を受け、メンタルが折れかかっているのだ。

逃げ出す者、泣き叫ぶ者、他の娘を盾にしようとする者…
共同戦線を展開したはいいものの、流石にこのパニック状態で彼女らの足並みが揃うハズもない。
そうこうしているうちに、メカ触手が就活女子達を捉え、彼女らの美しいカラダに絡みつき、這い回り、あちこちくすぐってくる…。

「やんっ!脚に絡みついて、アハっ、ヤダ、ヌルヌルするぅ…」
「あひゃっ!く、くすぐっ…ダメ、そんなトコ…っ!」
「! 市ヶ谷さん!待ってて、今助け…」

パニックになる彼女らの耳に、不意に機械音声のアナウンスが響く。

『借り物…市ヶ谷真穂の靴下…』

これが“借り物”の指定なのだろう。
それに加え、チンパンジー型ロボから残酷極まりない一つの宣告がなされる…

『ウッキー!!たった今VIPからのリクエストが入ったので追加ルールを設ける!!』
『今回の採用人数は1人のみとするっキ!つまり、誰か1人がゴールすれば残りの連中は全員不合格…くすぐり地獄で笑い死にだっキ〜!!』

「!! アハハハそ、そんな…」
「何よそれ…!わ、私達が何したって言うのよ…!!」
「…うぅ…でも、やるしかない…そうだよ、生き残る為なら…」
「ゴールしさえすれば、帰れるんだ…」

あまりにも一方的、絶望的、悪魔的なルール変更を突き付けられ…彼女らの共同戦線はもはや完全に崩壊した。
もとより超氷河期の就活戦線においては、例え同期であろうが親友であろうが恋人同士であろうが…同じ就活生である以上は、数少ない“内定”を奪い合う敵…
これは、大学入学時から何度も何度も強制参加の就活セミナーで、さながら洗脳とも呼べるレベルで彼女達就活女子に刷り込まれてきた“就活の基本”である。
…こうなってしまえば、彼女らの決断は早い…

シュルルル…ヌルヌル…コチョコチョコチョコチョ…
「や〜〜〜ん!!アヒャヒャヒャあし、脚が…」
「まほ…コイツか!靴下寄こせっ!」
「キャハハハ何するの!た、助けてよアハハハ…!」
「暴れんなバカ!靴下取れないじゃない!」

メカ触手に全身を絡め取られ、脚をくすぐられる真穂。
だが、周りの女達は誰一人彼女を助けようとはしない。それどころかよってたかって真穂の両脚に群がり、白ハイソを剥ぎ取りにかかる。

…まさに地獄絵図。
事情を知らずに遠目から見れば、体操着姿の美人就活女子達がキャットファイトを繰り広げるお色気コーナーに見えるだろう。
だがしかし、ほんの少し前までナチュラルメイクと営業スマイルで彩られていた彼女らの美しく整った顔は、恐怖と狂気に歪み鬼気迫ったモノに変貌している。
かつて世間からの期待と羨望の眼差しを一身に受けていた“女神級就活女子”たる彼女らの大半は、さながらくすぐり地獄でその身を喰い合う亡者と化したのであった…

シュルルルル…ヌルヌル…コチョコチョコチョコチョ…コチョコチョコチョコチョ…
「アヒャヒャヒャ…は、離して、脚動かせな…やんっ!うひゃひゃひゃ…い、嫌ああぁぁぁぁ…!!」
「市ヶ谷真穂の靴下…靴下…あ、あと少しで…ひゃぁぁん!?ヤダ、こんなトコで死にたくな、アッハハハハハハ!!い、嫌ああぁぁ〜〜ん…!!」

この娘は真穂の脚にしがみついて靴下を脱がそうとしていたが…あと一歩の所で別のメカ触手に背中をくすぐられてバランスを崩し転倒。
その一瞬の隙を突かれ、自分がメカ触手の餌食になってしまい、結局真穂と二人仲良くくすぐり地獄に堕ちる羽目になってしまった…。

〜〜〜

「アッハハハハハ…い、嫌あああぁぁぁ…!!」
「キャハハハハハ…い、嫌あぁ〜〜〜ん…!!」

邑上ひかりは駆けていた。

メカ触手が津波の如く上下左右から押し寄せ、うねり、就活女子達の笑い声と断末魔が響くくすぐり地獄…そんな中でも彼女は、その美しい瞳に未来を見据え、迷い無くただひたすらに駆け抜けているように見えた。
迷い無く…?いや、それは違う。
今回の“就活×デスゲーム”でひかりが“合格”の為に支払うべき代償…
それはここまで辿り着くまでに散っていった、そして今自分のすぐ横で笑い悶え苦しむ同期達…内定を奪い合う敵と言えども、言い方を変えれば超氷河期という同じ時代で戦った“戦友”である。
そんな彼女達を見捨てて、見殺しにして、蹴落として…

「(こうしてまで得た“未来”に意味はあるの…?)」
「(いや、考えちゃダメだ…まずは生き残るんだ…!みんなだってまだ死んだって決まった訳じゃない…)」
「(無事帰れたらまずはレン君に相談して…然るべき所にこの会社の正体を告発して…そうすれば…!)」

ひかりは迷いを振り切り、ただゴールへ駆ける。
だが、このゲーム、ただゴールすれば良いというものではない。
そう、ひかりはまだ“借り物”を獲得出来ていないのだ。

「(そうだ…!“借り物”…!えっと、今脱落したのは5人…確かあと1人だけ脱落してなくて…ターゲットにもなってなかった人がいるハズ…!)」

『借り物…邑上ひかりの靴下…』
『借り物…水無月依(より)の靴下…』

辺りを見回すひかりの姿に反応したかのように、例の無機質なアナウンスが響き渡る。

「(み、水無月依!?それって、あの…!)」
「おっ、いたいた、邑上さんはっけ〜ん」
「!! み、水無月さん…!」

アナウンスとともに、図ったようなタイミングでメカ触手と鉄骨のジャングル…その隙間を縫うようにして、ひかりの目の前に体操着姿の就活女子が躍り出てきた。
ひかり以外の生き残り…“合格”を賭けた最後の一騎討ちの相手は就活女子らしからぬ天然ちゃんな雰囲気が魅力的なスタイル抜群のお姉さん…水無月依ちゃんだ。

〜〜〜

依は“100年に1人の天才”とまで言われる槍術の使い手である。
全国大会はもちろん海外の大会でも優勝経験を持ち、その美貌も相まって“聖槍を携えた女神”として世界から注目されている逸材だ。
だが、水無月依の真価はそこではない。
彼女が“女神級就活女子”と呼ばれる一番の理由…それは如何なる状況でもそのマイペースなキャラを崩さない鋼の如く強靭で、雲の如く掴みどころの無いそのメンタルなのだ。

「JDの靴下が欲しいとか…引くわー…ねー邑上さん、前々から思ってたけど、最近の面接官ってかなりヤバイ人多いよねー」
「!? ちょ、こんなトコでそんな事言っちゃ…そ、それより!なんでそんなに呑気に構えて…怖くないの!?」

この地獄のような状況で、まるで友達と世間話でもするようなノリで話しかけて来る依の姿に、流石のひかりも不気味なモノを感じ気圧される。

「そりゃ怖いよ?それに呑気だなんてひどいなぁ、私はこれでも大真面目にやってるよ〜?…ホラ、こんなモノまで調達したりして」
「…!!」

そう嘯く依の右手には、槍が握られていた。
鉄パイプの先端にワイヤーで、先の試験で破壊されたものであろうマジックハンドが結え付けられた即席の槍である!

「ホラぁ、見て見て、邑上さーん!コレめっちゃ動く〜♪…名付けてぇ、依オリジナル、こちょこちょ槍ぃ〜♪」
ウィィィィン…ワキワキワキワキ…

マジックハンド部分の動力はどうやらまだ生きているようで、槍の先端で5本の指をワキワキと激しく動かしている。

「これ以上コチョコチョされるのもヤダし〜…邑上さん、悪いけど私の代わりに落ちて?」

依はそう言い放つと槍を構え、ひかり目掛けて的確なモーションで襲いかかって来た…

〜〜〜

「ホラホラ〜♪えい、えい、えぇ〜いっ♪」
「き、きゃあぁぁっ!!や、やめて水無月さんっ!そんなの近付けないでぇっ!!」
「アハっ、やめないよ〜〜〜っだ♪邑上さんもラスボスが私だなんてついてないね〜よりによって依っ!アハハっ、なんちゃって〜」

依のエロ可愛い笑顔と人を喰ったような軽口…からは想像もつかないような、世界レベルの技術で放たれる神速の突き、突き、薙ぎ、突き…!!

「くっ…!(な、なんて正確な槍捌き!いや、正確どころか!既に私の動きが読まれかけてる…!!)」
「あぁん、もうっ!よ〜け〜る〜な〜!に〜げ〜る〜な〜っ!」

ひかりはその常人離れした反射神経と膂力をもって、どうにか紙一重のところで槍撃をかわし、逃げ回り続けている。
持久力だけを見れば武術家タイプの依よりランナーのひかりの方が上だろう。
とはいえ防戦一方では当然ひかりに勝ち目はない。如何にひかりの反射神経が神がかっていたとしても…このまま行けば、依は自身の体力が尽きる前に回避パターンを解析した上で、ひかりのカラダの最も敏感なトコロにマジックハンドをぶち込んでくるであろう。

だが…

シュルルルル…サワッ、コショコショ…
「そっこだぁ〜!喰らえ…ひゃあぁんっ!?」

依がひかりの股間目掛けて渾身の突きを放とうとしたまさにその瞬間、1本のメカ触手が依の鍛え抜かれたわき腹に伸び…
イソギンチャク状の先端でもって腰のくびれの辺りを舐め上げるようにくすぐり、綺麗な肌の下の繊細な神経を逆撫でする。

コショコショコショ…ポロッ…カシャアァァン…!!
「あん、やだっ…しまっ、アハ、槍が…っ!」

不意に襲い来るくすぐったさを受け、思わず槍を取り落としてしまう依。
乙女の柔肌の感触に飢えたメカ触手の群れがこの一瞬の隙を見逃すハズもない。この次の瞬間、依の体操着に包まれたカラダに大小さまざまなメカ触手が殺到し…
あっと言う間に依の四肢を拘束し、肌という肌を蹂躙する。

繰り返すが、依は槍術の天才である。
一対一の試合でなら勿論のこと、槍使いであれば例え大の男複数人が相手でも不覚を取ることは無いであろう。
が、四方八方からメカ触手に狙われ続ければ彼女とて無事では済まない。それに加え、ひかり相手に勝利を目前にして出来た一瞬の隙を横から突かれた、というのが彼女の敗因であった。
…最も、最大のウィークポイントである腰のくびれ…そこを最悪のタイミングで、最も苦手とするくすぐり方で責められた…という運の無さもまた彼女の敗因だ。
“聖槍を携えた女神”と呼ばれた彼女が最後の最後で幸運の女神に突き放される形になったのは皮肉と言えるかもしれない。

シュルルルル…ヌルヌル…ギュウゥゥ…コチョコチョ…コショコショコショコショ…
「うぇぇっ!?う、ウソ、なんで私ばっかりあひゃあんん!?んぁっ、ぬ、ヌルヌルして…あひゃひゃひゃっ!」

腕に巻き付いて腋の下を舐め回すモノ…
首すじに這い寄り、喉をむしゃぶり尽くすモノ…
脚に絡み付いて、太ももをくすぐり犯すモノ…
依のカラダを締め上げる体操着の強靭なゴムすら潜り抜け、体操着の中でのたうち回るモノ…
ブルマの中に潜り込み、股間を突き上げるモノ…

シュルルルル…ヌルヌルヌル…レロレロレロレロ…コチョコチョコチョコチョ…!
「うひぃ!く、くすぐっ…キヒャヒャヒャヒャ!!やめ…ああぁぁはははは!!」

その可愛らしい顔を真っ赤にして、涙と鼻水とよだれを撒き散らしながらはしたなく笑い悶える依。
鍛え抜かれたカラダと如何なる状況でも天然マイペースを貫くそのメンタルこそ大物のそれだが、依だってうら若き女の子なのだ。全身を得体の知れないメカ触手にくすぐり犯されれば当然ひとたまりもない。

〜〜〜

ひかりはメカ触手に絡みつかれながら全身を激しくくすぐり回される依の下へ駆け寄り…
謎の粘液でベトベトになった依の美脚…そのつま先を包む運動靴の靴ヒモを素早く解き、そのままソックスに指を掛け、一気に剥ぎ取る。

「…!! 水無月さん、ごめん…!」
「アハハハあひゃひゃひゃっ!わ、私の靴下…アハハ取るなバカぁっ!このヘンタイ女っ!キャハハハ…!!」

シュルルルル…コチョコチョコチョコチョ…コチョコチョコチョコチョ…!!

「うひゃひゃひゃや、ヤダああぁぁっ!む、むらかみさん、助け…アハハハハハい、嫌ああああぁぁぁぁ〜〜〜っっ…!!」

同期であり、敵であり、戦友である依から発せられるあらんかぎりの罵倒、助けを求める悲痛な叫び、苦しげな笑い声、断末魔…

「水無月さん、みんな、ホントにごめん…ここから出られたら、みんな助かるようにするから…!」

それらすべてを背にして、ひかりは振り向かずに駆け出す。すべては“合格”…いや、“未来”のために。

〜〜〜

ひかりはその目に涙を浮かべ、ひたすら駆け抜ける。“借り物”も勝ち取り、ゴールは目の前…。
だが、その瞬間!!

『ウッキ〜〜〜〜〜〜!!』
「やぁんっ!!い、痛っ…!!え、そ、そんな!!」

ひかりの頭上から先程のチンパンジー型ロボが飛び降り襲い掛かってきた!
体力も精神力も限界まで削られていた今のひかりがこの卑劣極まり無い不意打ちに対応できるハズもなく、あっさり馬乗りにされる形で組み伏せられてしまう。
チンパンジー型ロボは勝ち誇ったような下劣な笑顔でひかりの美しい顔を見下ろす。

「………!!」

ひかりは両眼に涙を浮かべてにらめ返す。
怒り、悲しみ、恐怖、絶望…さまざまな負の感情が入り混じったその眼差しは、相手が一般人であれば、たじろかせ、心を動かすには充分すぎるモノであったが…
エロ猿ロボの…いや、カメラアイを通してデスゲームを愉しむVIPの嗜虐心を“くすぐる”だけに終わる。
歯茎を見せつけるような下劣な笑顔を浮かべたまま、エロ猿ロボが捲し立てる。

『ラスボスはあの天然エロエロ女じゃねぇ、このボキだっキ!!』
『言ったよなァ!?邑上ひかりィ!お前は必ず地獄に叩キ落としてやるって!ウッキ〜!!』
『“女神級じょしだいせー(笑)”とか言われて調子コイてんじゃねーっキ!どいつもこいつもバナナみてーに一皮剥けばただのエロエロ女…ボキ達のオモチャだっキ〜!!』
「…うるさい!!お、お前なんかが!お前らヘンタイ企業なんかが!!水無月さんの…みんなの悪口言うなぁっ!!」

就活女子として、これまで自身を殺し続けてひたすら営業スマイルで企業に、社会に、世間に媚び続けていたひかりだが…
この瞬間、彼女の中で何かが弾けた。
ここに来て、同じ苦しみを共有する戦友を侮辱したエロ猿に、いや、大企業群に…純粋な怒りをぶつけるという人間らしい心を見せつけたのだ!

『ウ、ウッキ〜!?就活生がボキ達面接官に上等コイてんじゃねぇっキ!これでもくらうっキ!』
ウィィィィン…コチョコチョコチョコチョ!コチョコチョコチョコチョ…!!
「!! あっはっはっはっは…いやぁ〜〜〜んっ…!」

とはいえ、これで何かが変わるほど社会は甘くはない。結局ひかりは馬乗りにされたまま、エロ猿ロボのボディから展開する複数のアームに全身くすぐり回され、無様に笑い悶え苦しむ羽目になってしまった。
首すじ、腋の下、乳首、わき腹、おへそ、太もも、膝、ふくらはぎ、足の裏、そして股間…!
エッチなブラシのついたアームが、体操着に包まれたひかりのカラダの敏感なポイントを激しく、執拗にくすぐり責め立てる…!

ウィィィィン…コショコショコショコショ!コチョコチョコチョコチョコチョコチョ…!!
「ああぁぁはははははは!や、やめてはははは!!ご、ごめんなさいヒヒヒヒ…!!」

全身から噴き出す汗…素肌の下でかき乱され、壊される神経…ヒクヒクと痙攣する筋肉…
エロ猿ロボの無茶苦茶なくすぐり攻撃は、ひかりの限界以上に体力を絞り取られ疲労しきったカラダに深刻なダメージを叩き込んでくる。
ひかりがその胸の内に秘める“迷い”も“怒り”も“希望”も…すべてがくすぐったさで塗りつぶされていく…

コショコショコショコショコショコショ…!コチョコチョコチョコチョコチョコチョ…!!
「ひ、ひああああぁぁぁぁ!!ごめんなさい!アハハハごめんなさいぃぃひひひ!!も、もう生意気なコトはははは言いませんからぁっハハハ!!」
「キャハハハおねがい、ゆるし…ああぁぁははははっ!!」

今まで幾度となくセクハラ地獄や圧迫面接を跳ね除け、15社以上の大企業から内定を勝ち取ってきたひかり…彼女のその強靭なメンタルも、終わりの見えないくすぐり責めを受け続け、遂に完全に折れてしまった…

(もう嫌だ、苦しい、死んじゃう、くすぐったい…)

ひかりはただただ必死になって、涙と鼻水とよだれをはしたなく撒き散らしながらエロ猿に許しを乞う。だが…

コショコショコチョコチョ!! コチョコチョコチョコチョ…コチョコチョコチョコチョコチョコチョ!!
『今さら謝っても遅いっキ!!お前はボキを…いや、弊社を完全に怒らせたっキ!!罰としてお前には…いや連帯責任で今回参加した30人全員に!!たった今から最狂レベルのくすぐり地獄をお見舞いして笑い死にさせてやるっキ!』
「アハハハハハハハそ、そんなああぁぁぁぁ…!!」

ウィィィィィィィィ…シュルルルル…ウネウネウネウネウネウネ…!!

エロ猿ロボの無慈悲な宣言とともに、会場全体のメカ触手の動きが一斉に激しさを増し、ひかり達のカラダへと迫る…!
ひかりは知る由もないが、前半戦の舞台である地下迷宮でもマジックハンドやメカ触手が追加され、既にトラップにかかって笑い悶えているミニスカリクスー姿の就活女子達に追い打ちのくすぐり責めをかけ、本格的に人生を終わらせにかかっている。
もちろん、ハズレを引いて更衣室に閉じ込められたあの3人にも更なる激しいくすぐり責めが加えられるだろう…
エロ猿ロボの合図を受け、ドーム球場内のメインモニターに極彩色の派手なフォントで以下の文章が大きく映し出された。

『GAME OVER』
『☆参加者へのペナルティ:くすぐり地獄 DE 笑い死に☆』

〜〜〜

この超氷河期において、ひとたび就活生が面接官の機嫌を損ねてしまえば如何なる末路が待っているのか…
それをひかりは今回のデスゲームで思い知らされたであろう。最も、その授業料はとんでもなく高いモノになってしまった訳だが…
会場内全体に、エロ猿ロボのふざけたアナウンスが死刑宣告めいて響き渡り、全フロアのくすぐりマシンが最大出力で起動する…!

『さ〜ぁ、“女神級じょしだいせー(笑)”の皆さん、ご一緒に〜〜〜?』
「アッハハハハハハハ…い、嫌ああああああぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜っっっっ!!!!」

結局、“最終適正試験”の合格者は0人となり、参加者が得ていた当企業への内定は取り消された。
この日、巨大ドーム球場とその地下は女神すらも呑み込むくすぐり地獄と化し、笑い声と悲鳴の入り混じった、大地を揺るがす程の悲痛極まりない断末魔が響き渡ったという…。

(完)

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