入浴剤
※編集用
AjN2xCq7C6氏
くすぐりマシン展示場
入浴剤
『充実のくすぐりライフで身も心もリフレッシュ!くすぐり技術で定評のあるメディ
カル・ティックラー社が贈る驚きの新製品、とろけ湯ハイグレード!』
なんとなくつけたテレビに映っているのは、今日スーパーで鈴菜がもらった試供品
と同じもののコマーシャルだ。とろけ湯という商品名がつけられたこの入浴剤は生分
解性素材で出来たナノマシンを配合したもので、お風呂に入れると浴槽のお湯全体が
スライム状に変化し、生きているかのように蠕動して入浴している人間の体を綺麗に
するのだとか。温度によって多少の差はあるがお湯に入れて数時間は洗浄モードが働
き、その後は廃水処理モードに移行、水が汚れる原因となる物質を分解し完全に機能
停止する48時間後まで浄化に務め、その後は微生物によって分解されるため環境汚
染の心配は全くないと言われている。先端技術の無駄遣いにもほどがある商品だが、
MT社のくすぐりに関する数々の製品は世界レベルをぶっちぎった変態的な技術の結
晶なので、今更それを気に留める人間はいなかった。
なお、排出されたナノマシンが分解されずに野生化とも言える状態になって人間を
ゲル状のその身に取り込んでくすぐる怪物に成るという都市伝説があるが、MT社は
そういった話は公式には一切認めていない。この話をブログに書いてMT社を批判し
ていた大学生がブログのネタにとくすぐりセンターに行った結果、MT社に肯定的な
論調に転向したという話もあるがこれは本筋には関係がない。
さて、話を鈴菜に戻そう。
先月彼氏と別れた上に、仕事でストレスがたまって最近肌荒れが気になって仕方が
ない27歳OLの彼女は癒しを求めていた。近頃はストレス解消に成るという理由で
くすぐりが一部でブームだが、だからといって自分から金を出してくすぐられようと
いう気になる人間はそうはいない。しかしタダなら話は別だ。
「まあものは試しよね」
一人暮らしの入浴では誰かに気兼ねするはずもなく、髪をタオルでまとめスレンダ
ーな裸身を晒した鈴菜は試供品のとろけ湯の封を切って粉末状の中身を浴槽にそそぎ
込んだ。手で軽くかき混ぜると白い粉はお湯の中に広がっていき、白色の薄い濁り湯
となる。
(ちょっとぬるっとしてる…)
浴槽から引き上げた右手に残る感触はぬめりを帯びたものとなっており、以前行っ
た温泉みたいだと鈴菜は思った。これが生き物みたいに動くとは到底思えない。
(ま、入ってみれば分かるか)
かき混ぜるついでにお湯が自分好みのぬるま湯になっているのは確認しているので、
鈴菜はそのままどぶりとお湯の中に身を沈めた。かけ湯もせずに風呂にはいるのは一
人暮らしの特権だ。
「ふー……」
体の力を抜いて大きく息を吐く。鈴菜が浸かっているのは今はまだただの滑り湯の
ままだが、もうすぐ生きているかのように動き出すはずだ。未知の体験に鈴菜は年甲
斐もなくわくわくしながら温まっていた。そうして、1分ほど経った頃である。
さわさわ。
「うぁっ!?」
温かい手にお尻を優しく撫でられるような感触に鈴菜は思わず声を上げたが、『と
ろけ湯』が機能し始めたと理解した鈴菜は慌てずお湯に身を任せることにした。
「ホントに動いてる…。んん……ふぅあぁ……くふ、うふふっふぅぅ…」
身をよじりながら、悩ましげなと声とかすかな笑いを漏らす。商品の説明にあった
通り、薄く濁ったお湯は人の手のように鈴菜の全身をいじりまわしていた。手足の筋
肉に腰や肩を揉んで疲れをほぐすとともに、背中や首筋に舌で舐めるような刺激を与
える。ぞわぞわとしたむず痒さに体が震えるが、決して不快な感触ではなかった。
「あ…!ちょっ…そこ……や、ああぁぁぁん…!」
そして明らかに性感への刺激を目的とした愛撫が行われ、はっきりと甘い声を漏ら
す。やや控えめな胸を人の手では不可能な手段で全方位から包み込むように揉み上げ
られ、ぬるりとした粘体が乳首に触れるに至っては、摘まれているのか舐められてい
るのか吸われているのか、それすらの判断も付かなかった。一方鈴菜の秘部にはまた
異なる刺激が与えられる。
「きゃひぃっ!やだ、これ…この感触って……!あ…んううぅぅ!」
丸みを帯びた長い何かが、股間のこんもりとした黒い茂みから不浄の穴までを往復
していた。それは素股と呼ばれる行為に近いが実際の男性器とは違って硬軟自在の
『とろけ湯』は、鈴菜のお腹からお尻までの曲線にぴったり合わせた形で吸い付き、
秘部との接触面を波立たせながらざわざわと動き続けている。
そして最後に、鈴菜の最大の弱点である下腹部にとろけ湯は触手を伸ばした。
「あはぁっ!そこ、そこ弱いから!あぅぅ、ううぅぅ…うぅふふふふふぅっふっふっ
ふふぅ!」
お臍の近辺とその少し下、ちょうど子宮が内部にあるあたりに手のひらのような大
きな何かが張り付く感触がした。例え僅かな力でもここを揉まれると鈴菜は激しいく
すぐったさを感じてしまう。また、手のひらで軽く圧迫しながらさすってやるとくす
ぐったさとともにしびれるような性感の高ぶりを感じてしまうポイントでもあったの
だ。
「あは、あはっはっははぁっ!くぅぅぅぅぅ!くすぐったいぃぃ…!」
ぬめった表面の手のひらが自分の弱点を的確に責める感触に身震いしながら、鈴菜
の体はどんどん高ぶっていく。そしてそれに比例するように鈴菜の体をくすぐる手は
数を増やしていく。自在に動く粘体が全身を隙間無く覆っていき、それは最早手では
なく鈴菜を丸飲みにする1個の生命に等しくなっていった。
「ははっあはははぁ!きゃあっはぁっ!これ、きつぅ…あひゃひゃひゃひゃひゃ!」
くすぐったさに思わず仰け反った鈴菜の後頭部を浴槽の水面より高く盛り上がった
スライムが受け止める。そしてそれはそのまま首筋と耳元を舐め回す舌となる。
「んひゃはぁうぅっ!?」
そこから逃れるため鈴菜は頭を前に動かそうとする。しかしほんの少し動かしただ
けで元あった場所に引き戻されてしまう。スライムは顔以外の頭部をスッポリと包み
込んでしっかり固定しており、それどころか体もろくに動かせない。浴槽内のお湯
が変質したスライムは恐るべき弾力性を持ち、人間の力で引き剥がすことなど不可能
だった。
「きひぃ…!んうぅっ!?動けなひぃいっ!!いひっいいぃぃっひっひっひひひ!!」
身動き一つ出来ない状況は本能的な恐怖を呼び起こすが、それもすぐにくすぐった
さで塗りつぶされる。全身を包み込む温かいスライムは、ブルブルと筋肉を揺さぶる
振動とぬるぬるで舐め回す感触、ソフトタッチでつつき回す刺激にぐりぐりと揉む動
きなどを縦横無尽に組み合わせ鈴菜の体を余すところ無くなぶり続ける。
「あへへへへへぇっ!きつ…やめ…!!んひひひひひ!!きゃあっはっはっはははっ
はっはははは!!や、やあぁぁっはっはははははぁ!そこ…入っ……!!きゃひぃぃ!
やめぇぇっ!んほおぉぉぅぅ!!」
ぬめりを帯びた細い先端は大した抵抗もなく鈴菜の秘芯に滑り込む。自在に形を変
えるスライムは、鈴菜のそこに侵入するのに押し広げる必要さえなかった。温かいお
湯が物理法則に逆らって体の中に入り込む感触に堪えきれず悲鳴が漏れる。
「ひゃあぁぁ…ひゃんっ!?あ、あへぇ…!おおぉん…おほぉっ!?おひっひっひひ
ひひひぃぃ!!」
内部に侵入したスライムは外部のスライムと同調して鈴菜の肉を挟むように圧迫し
ながら、Gスポットに様々な刺激を与える。無論全身に加えられるくすぐりは継続さ
れたままだ。乳首やクリトリスも舐め回すようにいじられ続けている。肌の上を這い
回る感触も、それがくすぐったいのか気持ちいいのか判断が付かなくなっていく。恋
人とのセックスでは感じたことのない強い快楽と気も狂わんばかりのくすぐったさが
鈴菜の中で渾然一体となって暴れ回り、劫火となって彼女の理性を焼き切ろうとして
いた。
「きぼ、ちいいぃぃ…!」
無意識のうちに口に出した言葉が耳から入り、鈴菜の認識を書き換えていく。
「くひぃぃっひっひひひぃ…!きもち、いい…!」
くすぐったくて気持ちいい、そう認識してしまう。
「あはっあは、ああぁぁっはっはっははははっはは!!気持ちいい!気持ちいいよお
ぉぉっほっほほほひひひひぃ!んきぃぃぃぃっききひひ!あきゃあっはははっははは
ぁっ!」
一旦認めてしまえば後は早い。ダムが決壊するように鈴菜の思考はくすぐりの快楽
に飲み込まれ、ただそれを享受して悶えるだけの物体になり果てる。
「いやぁぁぁっ!くすぐったいぃぃ!!うひっ!あひひぃぃ!!イク!イッテるぅ!
ぎゃあっはっはっはははははは!!くすぐったくていいのぉぉ!!」
時に激しく、時に優しく、きつすぎる快楽に発狂することも強すぎる刺激に失神す
ることもないよう計算され尽くしたくすぐりは、とろけ湯の設定時間である30分間
しっかりと続けられた。
意識を取り戻した鈴菜が最初に近くしたのは、誰かが優しく自分を抱きしめるよう
な感触だった。
(……?私、確か風呂ですごくくすぐられてたような…)
ぼやける視界でよく見ると、自分が湯船の中でスライムに体を支えられていること
に気が付く。風呂場で溺れないように、処理が終わった後も入浴した人間へのサポー
トを怠らないのだ。その働きぶりに、何やら愛おしさが沸いてくる。
「そっか、ずっと見ててくれたんだ。……ありがと」
理解できるはずもないのだが、鈴菜はお礼を言わずにはいられなかった。
心地よい疲労感を全身を満たされた鈴菜は、その晩久しぶりにぐっすりと眠ること
が出来た。心なしかすべすべになった気がする頬を撫でながらベッドの上で鈴菜は思
う。これ、箱で買おう、と。
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