ルサルカの逆襲?

Last-modified: 2020-11-08 (日) 03:52:54
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ルサルカからの続き

初夏を過ぎ、蝉の声と共に陽射しが益々きつく降り落ちてくる。
その灼熱地獄をよしとする人間がいようか。いやいまい。
住んでいる人間でさえ、毎年辟易としているのだ。ましてや、それが他から来た者であるなら、尚更である。
そんな日光が槍の如く、アスファルトに突き刺さる中、
ロングドレスを着た一人の女性がヨタヨタと人通りの少ない道を歩いていた。
「あっついのぅ…、あっついのぅ…」
「マッタク、嫌ニナルワネ」
「お前さんはまだマシじゃろうが…、こっちはこの暑さの中、歩いとるんじゃぞ」
無防備に胸元を開いて、手で風を送りながらブツブツとつぶやく女性に対し、
指輪から涼しげな少女の声が響く。お互いにうんざりした様な感があるのは、
先程から何度もこのやり取りを繰り返しているからだ。
しばしの無言なの後、疑い深げに女性が指輪に問う。
「本当にこの辺なんじゃろうな…。これで、見当違いだったら、お前さんを一週間ぶっ続けで……」
「ダ、大丈夫ヨ! アイツニハ私ノ…、ソノ…、体液ガ染ミ付イテルカラ。ドレダケ離レテモ感ジ取レルノ」
指輪の答えに、その様を想像したのか女性がケラケラと笑い出す。
「しかし、お前さんも間抜けじゃのぅ。虜にするつもりが虜にされて、そいつの前で醜態晒すとは」
「ウルサイウルサイ! ダカラ、今コウシテ、アイツニ復讐スル為……、ッ!!」
指輪の声が不意に止む。それを受けて、女性は顔を上げて、近くにある一軒屋に目を留めた。
「見付ケタ。間違イナイワ」
「ほほ、ようやく。着いたか」
「レシ。指輪ヲ外シテ」
言われるままレシと呼ばれた女性は指輪を外し、軽く放り投げた。
その瞬間、指輪から液状の何かが飛び出し、次にその何かは、ワンピースを着た少女の姿になって現れた。
「フゥ…、ヨウヤク出ラレタワ」
「……フム」
肩を回し、軽く伸びをする少女に、
レシはそっと近づき、脇の下をススッと撫でる。
途端に、少女は可愛らしい悲鳴をあげ、脇を庇いながら慌ててレシから離れた。
「フヒャアッ! ナ、何スルノヨ! レシ!」
「クックック、すまんすまん。ついルサルカが可愛くてな」
悪びれず答えるレシに、ルサルカは溜息で応えた。

インターフォンを押しても返事がなかったため、
ルサルカ達は、粘体状の水を使ってドアの鍵をこじ開け、
家の中を押し入り、物色していく。
「…やはり、留守のようじゃな」
「デモ、イイ物ヲ見付ケタワ」
ルサルカが持って来た写真立てには、親子と兄妹の4人家族の写真が入っており、
その中に写る兄は、ルサルカに一生忘れられない苦汁を舐めさせたあの男に違いなかった。
「フ、フフフ…。ヤット見付ケタワ…」
「ほほう、なかなかいい男じゃのう。嬲り甲斐がありそうじゃ…」
「エェ、タップリ地獄ヲ見セテヤリマショウ。フフフ、クスクスクス…」
人でない二人に、慈悲や情けはない。
ただ、欲望のまま、哀れな生贄を貪り尽くすだけである。
その饗宴を思い浮かべ、二人は残忍な笑みを浮かべた、その時。
カチャリ…と玄関の扉が開き、トタトタと軽い足音が聞こえてきた。
「ッ!」
「帰って来たか」
ルサルカは自分の右腕をロープのように長く変形させ、あの男がこの応接間の扉を開くのをジッと待つ。
そして、その人物は真っ直ぐに二人のいる部屋へ向かい、
何の疑問も抱かず、地獄への扉を開いたのを見て。
「ハッ!」
「えっ? きゃあああ!!」
ルサルカは一気に右腕を伸ばし。そこにいた、ランドセルを小脇に抱えた少女を引き寄せた。
何が起こったのか全く分からずに、簀巻きにされた少女を、
ポカンとした表情を浮かべて眺めながら、レシがルサルカに聞く。
「……? 誰じゃこいつは?」
「……アノ男ノ妹ミタイネ」
「あぁ。さっきの写真に写っとったな」
「お、お姉さん達、誰……」
レシはうんうんと頷き、拘束から逃れようと足掻く少女に近づき、その頭を優しくなでる。
「のぅ、お嬢ちゃん。名前は何と言うのかね」
「え…、さ、小夜です…」
「そうかそうか、ワシらはお前さんの兄に用があるんじゃがの。今、どこにいるか分かるかね?」
「……え、お兄ちゃん? し、知らないです」
「ほっほ、さて…、本当に知らないのかのう」
「マタ、レシノ悪い癖ガ出タワネ…」
ルサルカは溜息をつきながらも、右腕から幾つもの触手を伸ばし、
小夜を大の字にして、床に縛リ付けた。少女は悲鳴を上げて身をよじるも、ルサルカの束縛はびくともしない。

「さて、小夜ちゃんや。もう一度聞こうか。兄の場所はどこかね」
「し、知らないです…」
「そうか、じゃあ、本当に知らないのか試させて貰おうかの」
怯えた様子の小夜の答えに満足げに頷くと、
レシは小夜の両脇に指を這わせクシャクシャと揉み解した。
「ぅあっ、きゃはっ! あははあぁっ! きゃはははははははぁっ!」
可愛らしい悲鳴を上げて、ジタバタと手足を動かす小夜を見て、
加虐心がそそられたのか、レシは指の動きを激しくしていく。
「ックッククク、いい反応じゃ。子供と遊ぶのは、実に楽しいのぉ」
「あひっ、あはぁあっ! あひゃははははははぁっ!!」
「全ク、悪趣味ナンダカラ」
ルサルカは苦笑しつつも、小夜の足元を縛っている触手を少しずつ増量させ、
完全に足を包むように広げていく。
「きゃああはははははははははは!!く、くすぐったいぃっ! あひゃひゃひゃ! ヒッ!!」
レシに擽られながらも、足元から徐々に冷たい物が這い上がってくるような感触を感じ取ったのか、
恐る恐る視線を下に移した小夜は、自分の足が奇妙な粘体に包まれているのを見て、怯えたような悲鳴を上げた。
「ああ、心配することはない。何も取って食いはせんよ、
 ……もしかしたら喰われた方がマシかも知れんがのぅ、クックック」
「サァ、踊リナサイ。アノ男ノ妹ニ生マレタ事ヲ恨ミナガラ」
ルサルカが念じた瞬間、少女の足元を覆ってた粘体が一斉に蠕動し、小夜の足を擽り始める。
「あひっ!? あぎゃはっはあひひひっひひっ! や、止めっ、く、くすぐったいいいぃっ! うひひひひはははっ! ひははははははははははは!!」
特に、足の裏はもろい靴下をあっという間に破り、
ヌルヌルの触手が這い回り、敏感な足の裏に貼り付いて、耐え難い刺激を与えていた。
更に触手は動きを変え、細かい毛のブラシの様に変化すると、
高速で動きながら、足の裏や膝の裏、太ももなどを擦り始める。
「ひゃぁぁあああはははははははは! ぎひゃはははははははははは! し、死んじゃっ! 死ぬ! ひゃはははははは本当に! 死ん…ばぁぁぁぁあははははははははは! はひひひひひひひひ! あひゃひゃひゃひゃ!」
「やるのう。じゃあ、ワシも本気でやるか」
レシは、今まで擽っていた指の動きをさらに早め、小夜の苦手な脇腹・お腹等をグニグニと揉み。
また、ドレスの下からスルスルと尻尾を伸ばすと、それを筆のように使って、
脇の下や臍をサワサワと、掃除するように這わせて行く。
「やぁっははははははははははは! あっひはははははああはははははははは! や…、それやめぇっ! あはあははっはははあっひひははははははは! 触らないでええぇははははははは!!」
先程のくすぐったさとは比べ物にならないほどの刺激が襲い掛かり、
小夜はどうにか逃げようと、その小さな体であらん限りの抵抗をするが、
粘ついた液体も、レシの擽りも振り払う事は出来ず、
逆に彼女たちの遊戯を更に盛り上げるだけであった。

「ふふふ。いい声で鳴くの、これだから止められんわ」
「クスクスクス…、ネェ、今ドンナ気分? 苦シイ? クスグッタイ? モットモット味ワワセテ上ゲル♪」
「んぎははははははは! あははははしんあははははははっ! たすっ、きゃひゃはぁははははははっはぁっははははははは! たすけっ! んぎゃあああゃぁっはっははははは!!」
まだそれほど時間がたったわけでもないが、人外の擽りを受けた小夜の体は汗でびっしょりと濡れ、
呼吸が出来ない為に、目の焦点も揺らぎ、耐え難い苦しさの中で頭が真っ白になっていく。
「ぎひははっあははははっ! あああひっ! ひひひっあははっ! ぎっぎぎゃひっははははっ!!」
「アーア、ソロソロ壊レチャイソウネ」
「ふむ、じゃあ、仕舞いといくか」
「あっあっははっはははははははははは! あは!? ……ひっ! ひやああああああぅぅぅぅ!!」
激しい擽りの中で、突然別の刺激が小夜に襲い掛かった。
ルサルカが小夜の秘部に当たる部分の触手をブルブルと小刻みに震わせ、
レシが長い舌で小夜の乳首をベロリと舐め回し、吸い付いたり責め方を更に変えた為だ。
既に精神の限界まで、嬲られ続けていた小夜に、これを耐え切れるはずもなく。
「あひひっひぃぃぃ!! ああぁぁぁぁっ! ひひはっはははははーっ! あ、んあああぁぁぁぁぁあああ!!」
子供ながらも甲高い嬌声を上げ、快楽とくすぐりの中、小夜の精神は弾け、その意識を手放した。
それでも、まだ笑いながらピクピクと痙攣している小夜を二人は愛しそうに見つめる。
「ふ、短い時間だったが結構楽しめたわ」
「ソウネ。アイツニ復讐シタラ、コノ子持チ帰ッチャイマショウカ」
「そりゃいい。まだまだ楽しめそうじゃからな」
お気に入りの玩具を手にした子供のように、二人は無邪気にはしゃぐ。
しかし、ルサルカはふと、真顔に戻ると、置時計に目をやり、不満げに腕組みした。
「ソレニシテモ遅イワネ。アイツ、今ドコヲホッツキ歩イテルノカシラ」
「まぁ、待ってればそのうち帰ってくるじゃろ。そういや、この子に尋問するんじゃったな。いやいやすっかり忘れてたわ」
「アノネェ、貴女イイ加減ソノ悪イ癖ヲ」
……ガチャリ、と、タイミングよく玄関の扉が開いたのは、口論が始まろうとするその時だった。

ルサルカの逆襲の果てへ続く


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